可能な限り歯を削る量を少なく、精度の高い精密な治療を行う
マイクロスコープとは、日本語で顕微鏡のことです。マイクロスコープを使用することで、肉眼では見えない歯の根の内部や歯質と人工の歯の境目を高倍率で拡大して見ることができます。
拡大視野下で治療することによって、歯質を不要に削り過ぎたり、逆に細菌に感染した組織を取り残したりするリスクを軽減することができます。
アメリカでは、根管治療の専門医にマイクロスコープの導入が義務付けられているほど、その有効性、必要性が認められていますが、日本ではまだ50医院のうち1医院ほどしか普及していない最先端の医療機器です。
当院では、このマイクロスコープを使用し、精度の高い精密な歯科治療を行っています。
肉眼による視野
×10倍の視野
×24倍の視野
左の写真は肉眼による視野、真中が10倍、右が24倍です。肉眼では見えない領域がマイクロスコープを使用することで、詳細に見ることができます。
根管治療・歯内療法
根管治療とは歯の根にある神経の管に侵入した細菌を清掃し、その後の細菌の侵入を防ぐため、歯根の管を封鎖するまでの一連の治療のことを言います。
根管は非常に小さく、肉眼ではほとんど見えない場所に存在するため、歯科医師の多くは経験や感覚を頼りに手探りで治療を行っています。そのため、器具による根管の破損や細菌の取り残しによって根尖病巣ができてしまうといった事態が数多く発生しています。
マイクロスコープ(顕微鏡)を用いることで、根管の内部を非常にはっきり見ることができるため、治療中のエラーが起きにくく、成功率アップにつながります。
MI(最小限の侵襲)治療
MI(Minimum Intervention)とは、「抜く」「削る」などの侵襲を可能な限り最小限にしようという診療コンセプトです。マイクロスコープは、MI(最小限の侵襲)治療を実現するための非常に役立つ強力なツールです。
歯は削れば削るほど、寿命が短くなってしまいます。細菌に感染した組織をそのままにすることはできませんが、可能な限り歯質を残すことは歯の寿命を延ばすことにつながります。
マイクロスコープを使用することで、健康な歯質まで削り過ぎてしまうことなく、細菌に感染した組織のみをより正確に除去することができるようになります。
精密な修復治療
虫歯治療では、細菌に感染した歯質を除去し、そこをつめもの(インレー)やかぶせもの(クラウン)で補います。この際に、歯質と人工歯(クラウンやインレー)の境目に隙間ができてしまうと、そこから細菌が侵入し、虫歯の再発の原因となりかねません。虫歯が再発してしまうと、再度治療を行う必要があり、折角入れたクラウンやインレーも再度作り直す必要が出てきます。
虫歯再発の原因となるようなクラウンやインレーは、肉眼ではその境界がスムーズに見えても、マイクロスコープで拡大し確認するとその縁(マージン)はガタガタ、デコボコになっています。マイクロスコープを使用し、精密かつ滑らかに形成することで、隙間なく虫歯の再発リスクの低い治療を行うことができます。
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- 境目がガタガタの
被せ物(クラウン)
- 境目がガタガタの
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- 境目がスムーズな
被せ物(クラウン)
- 境目がスムーズな