歯の病気として、もっとも一般的に認知されているのが、虫歯です。虫歯の治療法は主に、歯を削ったり、抜いたりすることで虫歯菌に感染した部分を除去し、金属、プラスチック、セラミックなどの素材で除去した部分を補うというものになります。
歯は切り傷のように元に戻ることはなく、一度虫歯治療のために歯を削ってしまうと、再度虫歯になりやすくなってしまいます。さらに、悪くなってしまった原因がそのままのため、虫歯の再発を繰り返し、最終的に歯を失うというケースを数多く目にしてきました。
従来、日本の歯科治療は、悪くなった部位を除去するという対処療法が主流です。しかし、この方法では生涯歯を守ることはできないため、かいり歯科クリニックでは、悪くなってしまった原因そのものを突き止め、その原因を除去するという原因除去療法を行っています。
そして、虫歯になる原因を除去するには、日々のケアと生活習慣の改善が大切です。
虫歯の原因と対策
虫歯の原因となる3つの要素
虫歯は、歯質、細菌、食べ物の3つの要素に時間の経過が加わってできると言われています。
つまり、これら3つの要素が重なる時間が短ければ虫歯になる可能性が低く、長ければ虫歯ができやすくなります。
- 歯質
-
歯の強さや唾液の力によって虫歯になりやすいかどうかが左右されます。
- 虫歯菌
-
主な虫歯菌はミュータンス菌です。この菌はプラーク(歯垢)をつくり、また歯を溶かす酸をつくります。
- 食べ物
-
糖質の中でも特に砂糖を含む食べ物や飲み物が虫歯の発生に影響を与えます。
虫歯になるリスクを小さくするには?
虫歯の原因となる3要素の重なり合う時間や面積をできるだけ少なくすることで、虫歯になるリスクを下げることができます。
対策
- 歯質
-
- フッ化物を使った歯質強化。
- 歯科医院でのシーラント。
- よく噛むことで唾液の分泌を促進する。
- 虫歯菌
-
- ご家庭でのブラッシングや、歯科医院でのプラーク除去。
- 菌の活動を抑えるキシリトールやフッ化物の使用など。
- 食べ物
-
- バランスのとれた食生活
- 間食の習慣をなくす。
- 砂糖など虫歯の心配がないおやつの選択など。
歯科医院での虫歯予防処置
当院では、患者様ご自身が日々の生活の中で行うセルフケアを、より効率的でより効果的に行えるようにサポートしています。そのため、さまざまな虫歯の予防処置をご用意し、それぞれの患者様ごとにカスタムメイドで予防方法をご提案させていただいています。
ブラッシングレッスン – TBI:Tooth Blushing Instruction -
虫歯や歯周病を予防するために、もっとも大切なのがプラークコントロール。プラーク(歯垢)とは、歯に付着した細菌の塊のことで、これをどれだけ除去できるかの鍵となるのがブラッシングです。
毎日歯磨きしていても、磨き残しなく、プラークを完璧に除去するのは、かなり難しいことです。
当院では、口腔衛生管理の専門家である歯科衛生士が効果的な歯磨きの方法をアドバイスし、歯ブラシ、歯磨き粉、ケア用品などを患者様ごとにカスタムメイドで処方しています。
歯のクリーニング – PMTC:Professional Mechanical Tooth Cleaning -
PMTCとは、Professional Mechanical Tooth Cleaningの略で、歯科衛生士による専用の機械を使った歯のクリーニングのことです。歯科衛生士が歯面に付着したプラーク(歯垢)や歯石、ステイン(着色・汚れ)を徹底的に除去、洗浄します。その後、ナノハイドロキシアパタイトで歯をコーティングし、プラークや歯石、ステインを付着しにくくします。
PMTCを行うことで、虫歯や歯周病の原因菌を除去し、お口の中をスッキリ爽快に、歯の表面がキレイにツルツルになります。「気持ちよく」「歯をキレイにして」「予防にもなる」素敵なデンタルケアです。
-
- 術前
-
- 術後
治療内容 | PMTC(専門的な機械的歯面清掃) |
---|---|
目的 | 歯のクリーニング |
副作用・リスク | 歯肉からの出血 |
治療期間(回数) | 1回 |
費用(税抜) | 8,000円 |
フッ素コーディング
フッ素で歯をコーディングすることで、虫歯を予防します。
フッ素には大きく3つの働きがあります。この働きにより虫歯予防に効果を発揮します。
-
- 歯を強くする
- フッ素が歯に取り込まれ、ムシ歯に強い(溶けにくい)歯を作ります。
-
- 再石灰化を促進する
- 自然治癒が可能な初期のムシ歯では、治癒を助けることができます。
-
- 虫歯菌を抑制する
- フッ素が歯垢(プラーク)に入り、歯を溶かす酸が作られるのを抑えます。
フッ素コーティングは、3~6か月ごとに定期的に行うことで、より効果を発揮します。
シーラント
生えたての奥歯は、溝が深く複雑で、歯ブラシが届きにくい ため、食べかすやバイ菌がたまりやすい場所となっています。 シーラントをすることで、溝がシーラント材でふさがれ、汚れがたまりにくく、歯ブラシも当たりやすくなります。 しかも、フッ素配合のため、さらに効果的です。
食生活と虫歯の関係
歯の表面では、歯の成分であるミネラルが溶け出す脱灰と、ミネラルが歯の中に戻って結晶化する再石灰化がくり返されています。何も食べていないときの歯の表面は中性ですが、いったん口の中に食べ物や飲み物が入ると、虫歯菌が作り出す酸が増えて歯の表面が酸性になりミネラルがどんどん溶け出します。
規則正しい食生活:1日3回の食事と1回のおやつの場合
食事の回数に応じて脱灰は起こりますが、時間とともに歯の表面が中性になり再石灰化が行われます。
間食が多い食生活:1日3回の食事に加えおやつやジュースを何度も口に入れる場合
一日中脱灰が続き、歯の表面が中性にならないために再石灰化がなかなか行われません。寝る前に飲食をすると朝まで脱灰が続きます
規則正しい食生活を送ることで、虫歯を予防することができます。
かいり歯科クリニックでは、生活習慣を問診し、健康のためのアドバイスも行っています。