石井歯内療法研修会 2日間セミナー
2015.06.20
こんにちは。かいり歯科クリニックの院長の戸田です。
20、21日と土日を休診とさせて頂きまして、ペンシルバニア大学非常勤講師で歯内療法の専門医である石井宏先生のセミナーに参加して参りました。 土日のみ通院可能な患者様には多大なご迷惑をおかけして申し訳ございません。非常に勉強になる事も多く、すぐにでも当院に取り入れられるシステムもあるので少しでも皆さまに還元できるように頑張ります!
さて歯内療法とは??
歯内療法とは、その名の通り『歯の内部の治療』のこと、詳しくいうと、 歯の根の中の管(これを根管といいます)に関した治療を、歯内療法と呼んでます。
歯は、人体の中で一番硬い組織ですが、その中には、歯髄という軟らかい組織が あって、根の先のほうの小さな孔で、あごの骨の中の神経や血管とつながっています。一般に歯科治療で、『シンケイ(神経)』という言葉が使われることが多いですが、これは歯髄のことなんです。
この歯髄が、むし歯や外傷で、細菌の感染を受けたような場合には、歯がひどく痛んだり、歯肉が腫れたりします。このような時に、 もし、その歯を救い、さらに長い間機能させたいと思うならば、歯髄の一部や全部を除去して歯を残すような治療 をしなければなりません。そこで、歯内療法が行われるのです。
一般には、『根の中のシンケイを取り除ききれいにする治療』と言われ、歯を支える土台としての根(根管)の処置なので、根管治療(コンカンチリョウ)という治療法を行います。
つまり、歯の根の治療は、家でいうところの大黒柱にあたる部位の治療であり、歯を残す上で非常に大切な治療なんです。
実際のところ、日本の歯内療法の現状は、さまざまな事情からこの根の治療の成功率が低いのです。
その中の大部分を占める原因は、処置を行う上での根の中への細菌感染です。
前述した通り、根管治療では、歯の根の中を完全に無菌化することによって病気を治します。
しかし、口の中の唾液には常に細菌が存在し、根の中をきれいにsうるはアズ治療を行いながら歯の根の中を無菌に保つことはきわめて困難です。
そのため、治療する部位以外をラバーダムというゴム膜で覆ってしまい、クランプという金具を装着し、治療部位のみを隔離した状態で治療を行う方法が考案されています。
これがラバーダム防湿法です。
ラバーダム防湿法は、100年以上も前から行われている方法で、世界的には根管治療を行う際、ほとんどのケースに使用されています。
しかし、ラバーダムの装着には時間と手間がかかるため、日本では約10%程度の歯科医院でしか使用されていないという現状があります。
かいり歯科クリニックでは、再治療や抜歯にならないように、唾液混入による根管内への細菌の汚染を防ぐ事が難しいケースではラバーダム防湿法を行った上で根管治療を行っています。