小児矯正症例⑹【叢生(凸凹)】〜子どもの歯並び予防の考え方〜
2023.12.03
前回の続き
『歯並び予防と小児矯正(治療)』について書かせて頂きます。
一般的に 『矯正治療』(略:一般矯正) と聞くと
・悪くなった歯並びを治す
・お口に金属のワイヤーなどの外せない装置を長期間入れる ⇨ 見た目が気になる
・歯を抜かなければいけない
・保険が適用されず、費用が高い(全国平均60万〜80万)
など ネガティブな印象をもたれている方が多いのではないでしょうか。
実際のところ、
子どもの歯並びにおけるアンケート結果においては 20数年前ですら(平成14年7月)
6割の親御さんが子供の歯並びを気にしているにも関わらず、実際の歯並びの矯正を受けている子どもは7%に満たない という結果でした。
また
矯正治療が必要な患者さんの90%が矯正治療を受けていないのが現状です。
ここで、
子どもの歯並びに関して考えなければいけない重要な事
があります。それは
歯並びが悪くなった(結果) ⇨ 矯正治療をする(治療)
という考え方ではなく、
なぜ歯並びが悪くなったのか?(原因)
という事を早い段階から考えることです。
ここからアプローチするのが 『歯並び予防と小児矯正(治療)』と 『一般矯正』 の大きな違いです。
つまり問題がなければ、歯は正しい位置に並ぶはずです。
問題とは 大きく分けて次の2点です。
① 歯列の発育不足 (家庭内における食生活)
② 歯が正しい位置に維持できなかった外力の存在 (指しゃぶり、口ポカン、ねこ背や態壁など)
『歯並び予防と小児矯正(治療)』とは、
子どもの歯並びが悪くなる問題を早期発見(原因発見)
⇨ 問題を親御さんに早期に提起し解決(原因解決)
⇨ 状態に応じてトレーニング装置や床装置を使用し、歯並びの問題が軽度のうちにアプローチ (加療)
という考え方です。
歯並びの不正の原因に関して、親御さんと一緒に考えてアプローチする事が、何よりも大切であり重要だと考えております。
先日の小学6年生の歯科検診で表彰された当院のお子様のケースを1件ご紹介させて頂きます。
もちろん、虫歯や歯肉炎もないです☆
⭐️7歳9ヶ月 女の子⭐️ 叢生(前歯の凸凹)
治療内容 | 上顎前歯の拡大床装置と保定用床装置による歯列矯正とMFT |
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目的 | 歯並びの凸凹(叢生)の改善 |
副作用・リスク | 初期の装着時の不快感、口内炎 |
治療期間(回数) | 18ヶ月 |
費用(税抜) | 装置代260,000円(内訳:拡大床装置:上下各2個、保定用床装置:上下各1個) |
※ 治療結果は個人差がございます。