審美症例(11)〜ダイレクトボンディング症例~前歯 正中離開④~
2019.01.12
ダイレクトボンディングの症例をアップさせて頂きます。
高校生の男の子(スポーツマン) 上顎前歯の捻転による審美障害
前歯の歯並びを主訴に当院に来院されました。
部活動も忙しく、なかなか通院する時間はないが、前歯の見た目がコンプレックスでなんとかしたいと、自分なりにネットで治療方法などを調べて遠方からお母様と共に来院されました。
・10代若年者でまだ成長発育中であること
・虫歯もない天然歯であること
・部活や高校生活という思春期の環境
を考慮して
① 歯を削るなどの後戻りできない治療はしない!
② 部活中の邪魔にならず、友達から見ても目立たない治療であること!
を優先順位として
『目立たない装置を使ったプチ矯正』 と 『ダイレクトボンディング』
の利点・欠点を含めて提案したところ、ご家族との話し合いのうえでダイレクトボンディングを選択されました。
しかし、初診時は重度の歯肉炎があり、歯肉の炎症がある状態ではダイレクトボンディングができないため、歯周病治療とホームケア指導にて歯肉の炎症が落ち着いた後、ダイレクトボンディングを施術させて頂きました。
!注意!ダイレクトボンディングの治療中は、唾液は然り、血液が少しでも入ると、審美的に治療ができないだけでなく、うまく接着ができないため適用外となります。
治療後、本人も大変満足してくれていた様子で、何よりです!
●治療内容 : ダイレクトボンディング2本、局所麻酔なし
●目的 : 前歯の見た目の改善と口元の印象の改善
●副作用・リスク : 研磨の際の歯肉からの軽度の出血
●治療回数・期間 : 1回(歯周病の治療期間2ヶ月を除く)
●費用(税抜) :40000円(内訳/ダイレクトボンディング治療20000円×2本 ※ダイレクトボンディング治療は治療範囲や部位によって費用が異なります)
【未来を担うお子様の予防のために思うこと】
6年前に当院を開院して今日に至るまで、1歳から小学生卒業までは、虫歯・歯肉炎、歯並びの予防や治療で、親御さんがお子様を連れて歯科に通院することは多いですが、中学生や高校生のお子様を歯科医院で拝見することがほとんどないのが現状です。
今回のケースで、中学生や高校生の10代の子が、審美的なことでもなんでも良いので、自分の歯に関心を持って、症状がない状態で歯科医院に来院することは、虫歯や歯周病の早期発見・早期治療につながり、将来的な予防につながる大変有意義なことであると感じました。
今回の高校生の子は、成人の方と同じようにきちんと説明させて頂くことで、大変モチベーションも上がり、部活動や勉強など忙しい中で、歯ブラシをとても頑張り、歯ぐきの状態がみるみるうちに改善していきました。歯周病は末期になるまで自覚症状がないので、あのまま放置していれば、40代では重度の歯周病になっていたのではないかと思われます。
今回のケースは私自身、大変勉強になりました。
スタッフ一同共有して、啓蒙活動をしていきたいと思います。