【 審美矯正治療】当院の診療方針〜家族や大切な人への最良の医療とは〜
2023.01.26
ご無沙汰しております。かいり歯科クリニックの院長の戸田です。
今回は【予防】ではなく、やむなく【治療】のための歯科通院となった患者様に対する《当院の診療方針》に関して書かせて頂きます。
歯科治療における世界的権威であるDr.KoisやDr.Cohenが、
補綴修復処置(被せ物などの治療全般)を行う際の『Clinical Guidelines(臨床的指標)』
として掲げ、日本を代表するスタディーグループの先生方がたびたび下記⇩を引用されます。
《 Clinical Guidelines(臨床的指標)》
1st. Esthetic(審美) ⇨歯と歯周組織、顔貌や口元との調和
〜歯の形や色と歯ぐきとの調和や、顔や口元に対して調和が取れて審美的であること〜
2nd. Biology(生物学)⇨清掃性・組織抵抗性
〜歯ブラシがしやすい環境で、修復物が長期的に生体に対して安定していること〜
3rd. Structure(構造力学) ⇨補綴装置の脱離や歯根破折の防止
〜構造的に補綴物が安定して、力に対して抵抗性があること〜
4th. Function(機能) ⇨咬合
〜きちんと機能( 咀嚼・発音・嚥下など)できること〜
治療を行う際に、上記ガイドラインの優先順位を考えて治療計画を立てる事が推奨されております。
僭越ながら、最良の治療とは上記を満たす治療である事に異論の余地はございません。
しかしながら、まだまだ日本の歯科医療業界では、
『痛くなったら( 症状があれば)歯科医院に連絡する』
という患者様が多か、虫歯菌や歯周病菌に侵されていない状態、つまり細菌感染による炎症がない状態になっていない方がほとんどです。
欧米と比べて、日本には国民皆保険があり、万人が病気に対する医療を受けられるにも関わらず
《 治療の連鎖のステージ》→《 長期的に安定した予防ステージ》
になっている患者様が少なく、歯周病に関しては、進行の程度の違いはあるものの30歳以上の成人の80%以上の方が患っているというのが現状です。
実際に予防大国のスウェーデンでは、治療ではなく定期検診やメインテナンスに通っている方が国民の90%いるにも関わらず、
日本ではわずか10%未満というのが現状です。。
ご興味ある方はこちらを参照にしてください↓↓↓
⭐︎歯の寿命をのばす会⭐︎
そこで、日本の現状に合わして当院の診療方針では以下の通りに進めております。
まずは何よりも、原因除去を第一とし、患者様に対して病気の原因の話をきちんとさせて頂き、意識を変え→行動を変え→ホームケアの質の向上に尽力しております。
僅かでも歯を削るなどの治療になったところから、再治療による治療連鎖が始まるリスクがあり、一本でも歯を失ったところから、他の歯に負担をかける負の連鎖が始まり、将来的には多数歯を失うリスクがございます。
そうなると治療期間や、治療費がかかり、場合によっては機能的にも審美的にも元の状態に近く戻そうと思うと、多額の費用がかかりことがございます。
では、どうすれば良いか、、、
それには『予防』という概念しかございません。
急遽の歯科医療は、歯科医師が行う『治療』ではなく
治療にさせないために歯科衛生士が行う『予防』にあると思います。
生まれながらにして虫歯や歯周病や歯並びの不正の子は殆どおりません。殆どが、環境などによる後天的なものです。
つまり、究極の歯科医療は
《 子ども》に関しては
治療になる前である幼少期からの歯の予防
《 成人》に関しては
治療になってない、または大きな治療になっていない歯に対する予防
と考えております。
今まさに治療中、または治療が必要な患者様の中には、大きな虫歯になってしまい、神経を取った歯、または保存が不可能と判断されて、悩み苦しんでいる方も多いかもしれません。
しかしながら、治療になった歯に悩むのではなく、またそうなっていない歯に対して、原因にアプローチすることで、これから将来の長期的な予後のために、予防をすることを前向きに考えて頂きたく存じます。
国民のお口の健康を担う我々歯科医料従事者が、そうした方の少しでもお力添えが出来れば幸いです。