歯周病専門外来③〜歯周病治療をスタートする前に大切なこと〜
2024.06.11
歯周病ってどんな病気
歯周病は、歯と歯ぐきの境目から侵入した細菌によって、歯肉に炎症を引き起こし、さらには歯を支えている骨を溶かす病気です。
虫歯と歯周病の大きな違いは?
虫歯が細菌によって作り出す酸によって歯が溶かされる病気に対して、歯周病は歯の周りの骨を溶かす病気です。
さらに大きな違いは、
歯周病はご自身の免疫の反応によって炎症が起きる
ということです。
つまり細菌が多いにも関わらず歯ブラシをきちんとしなくても歯周病がほとんど進行しない人がいる一方で、細菌の量が少なくても簡単に炎症が起きて骨が溶けてしまう人もいるということです。
花粉症などのアレルギーと似ていて、人によって反応が違うのと少し似ているかもしれません。
つまり、糖尿病や投薬内容などの全身の状態によって歯周病の反応も変わってくるので、ライフステージに応じた対応が必要になってきます。
歯周病治療を開始するうえで大切なことは
まずは、
『診査・診断』
です。
きちんとした医療面接による全身状態の把握と、お口の検査をした上で診断をします。
上記は、日本歯周病学会の歯周病の新分類の指標になりますが、
『歯周病の重症度』をステージ分類し
『歯周病の進行のスピード』をグレード分類します。
少し難しいお話かもしれませんが、診断は人によって違うため、患者様一人一人の状態に合わせて治療方針と治療計画を立てる必要性があるということです。
歯周病の検査とは
歯周ポケットと呼ばれる歯と歯ぐきの境目の深さと、そこからの出血の有無を検査します。
当院の日本歯周病学会のガイドラインに基づいた歯周病治療はこちらから
様々な検査データは
歯科医院側での診断をするための大切なデータである一方で、患者さんのデータであり
『患者さんとの情報共有』と『患者さんのモチベーションの獲得』
が最も大切だと考えております。
どれだけきんとと診査して診断しても、患者さんと情報共有し理解して頂けなければ、
歯周病治療 = クリーニング・・・
となり、歯周病がコントロールされないまま(進行中のまま)定期的なクリーニングに移行しまうと、歯周病が重症化し歯を失うことに繋がるからです。
歯周病治療 ≠ クリーニング メインテナンス ≠ クリーニング
まずは、きちんとした検査を受けて頂き、情報を共有することが大切です。
上記は、歯周病の治療から予防のステージ(メインテナンス)に移行された症例写真です。
歯ぐきからの出血もない
歯ぐきのが引き締まったピンク色
歯の揺れもなくしっかり骨の支えがある
歯ブラシも当てやすい環境
口臭やお口のネバネバ感もない
とても良い状態になり、上記症例の患者様は現在もメインテナンスで健康な状態を維持されていて、かかりつけ医としては嬉しい限りです。
歯周病はかなり進行し重症化しないと、腫れや痛みなどの日常生活に支障をきたす自覚症状を伴わない病気です・・
歯ぐきからの出血
歯ぐきがブヨブヨしている
歯が少し揺れる気がする
歯ブラシや歯間ブラシやフロスが当てづらい
口臭が気になる
お口の中がネバネバしている
内科的疾患があり、様々なお薬を服用している
お口の中が乾燥する
などなど・・
上記のような状態を少しでもある方は、まずは『歯周病専門外来』できちんとした診査・診断をすることをおすすめ致します。
当院では『正しい診査・診断』に基づく『わかりやすい説明』を大切にし、安心・安全・最良の医療提供ができるようスタッフ一同日々取り組んでおります。
お気軽にご相談下さい。